敦賀への旅②
敦賀で腹が減った僕は昼食を求め、駅前の商店街まで戻った。
駅前の商店街は人の気配がほとんどなく、少し怖くなった。もしかしたら、僕が見落としただけで今日は平日なのでは? そんな不安がよぎり、スマホでカレンダーを確認したほどだ。
色々なお店が軒を連ねる。駅前だから居酒屋もある。しかし、昼だからやっていない。
いかにも観光客らしい雰囲気を醸し出す学生三人組が、キョロキョロしながら僕の前を歩いている。どうやら、彼らも僕と同じくお昼をどこで食べるか検討しているようだ。
三人はとある寿司屋に入って行った。見ると「一見さん歓迎!」と書かれた紙が貼られている。僕は「やられた!」と思った。前の学生と連チャンで入るのは気が引けた。
仕方なく、僕は駅前にあるお店に入った。
外観の第一印象は「高野豆腐とかメニューにないモノを注文すると、厨房の奥にある真っ暗なトンネルの前に案内されて、このトンネルから行けますよ。なんて言われてさぁ、どこか異世界に連れて行かれちゃいそうだな」だ。
つづく